The Ice Prince — Next Generation Leader Selected by TIME

 

 

 

TIME誌が選ぶ、次世代のリーダー、Next Generation Leaderのリストにネイサンが仲間入りをしました。ネイサンもツイッターで嬉しそうに呟いていました。

 

 

The Ice Prince、っていう記事のタイトルがいいですよね。ネイサン、氷の上での存在感があるし、韃靼人の踊りの彼は若き王子様そのものって、ファン同士で妄想しています。

 

Next Generation Leader

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The Ice Prince (氷上のプリンス)

 

それは4分間のプログラムの残り1分近いところだった。たいていのフィギュアスケーターがなんとか最後まで滑り切ろうとするその時間、ネイサン・チェンは、1月行われた全米選手権にて、歴史を作ろうと決心していた。完全に回りきった4回転ジャンプを4回跳んだあとで、彼は、史上最高回数の5回目の4回転ジャンプをに挑み、それまで跳んだ4回転と同様に成功させた。

カリフォルニアとミシガンに練習拠点を置く17歳のチェンが、1つのプログラムで5回の4回転ジャンプを成功させるという史上初の快挙を成し遂げ、今シーズの最高点をたたき出した。最近行われた競技会では、現五輪チャンピオンの羽生結弦に勝ち、チェンは2018年の韓国で開催される平昌五輪の優勝候補として名乗りを上げた。

しかし、もっと驚くべきことがある。彼は1年前に股関節に怪我を負い、5か月間も氷の上に立てなかったという事実である。このような早急な回復の実現には、育った環境によって身についた頑な性格が功を奏した、と言う。
「僕の家族は本来的にみな前向きな性格なんです」と5人兄妹の末子のチェン。 「両親は常に僕に最善のものを与えようとしてくれて、常に上を目指すように背中を押し続けてくれました。ですので僕にそうした習性が身についているんでしょう。自分とスケートという競技の可能性を追い求めています。」

こうした向上心は、2010年以来五輪メダリストを生み出していないアメリカ男子スケートにとって特に重要である。チェンによれば、彼のロールモデルはロシアのエフゲニープルシェンコ、最近では、羽生やスペインのハビエルフェルナンデスといった海外の選手がほとんどである。国際的な競技会に出るごとに、アメリカ男子スケーターが国際舞台で戦うためには技術的なスキルを強化する必要があるとチェンは悟ってきた。 「若手の選手がクレージーなことをやっているのをみて、アメリカ男子がやや遅れをとっていると実感しました。」 「自分よりも遥かに先を行っている選手がいることを知ったことで心に火が着きました」、とチェンは答えた。

チェンの存在はすでに世界の若手スケーターの動機づけになっている。特にアメリカ国内で、以前までは不可能と思われている技術に挑むチェンの後についていこうとする選手もいる。海外の選手が標準を設定するのを見て、今度はチェン自身がフィギュアスケートと、自分自身の限界に挑もうとしている。

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2002年、ソルトレイク五輪が開催されていたあいだ、僕は3歳でした。ソルトレイクシティにはたくさんの練習用のリンクが建てられ、自然とリンクで過ごす時間も多くなり、初めて氷の上に足を降ろした瞬間から「好きだ」とわかりました。

このクワドジャンプを試合で初めて決めた、と伝える方も素敵なことでしょうし、言われる方もそうです。実際それで若い選手は複数の4回転ジャンプをプログラムに入れること、さらに回数も増やせるのだと悟り、フィギュアスケートの可能性を押し広げること、さらには人間の肉体の限界に挑戦することも可能なのだと、意欲を湧かせてくれるのです。

昨年股関節の手術をし、約5ヶ月氷の上に立てませんでした。それから戻ってくる道のりは長いものでしたが、その時間は、何がまずかったのか、どうしたら修正できるのか、適切にできるのかを考える時間になりました。リハビリ中の練習のおかげで、怪我をする前にはできなかったこともできるようになり、オフアイスでの訓練のおかげで身体も強くなりました。

まず、五輪代表選手となること、それが僕の夢で、ずっとこれまでそれを目標に頑張ってきました。もちろん、メダルを取ること、さらに優勝するという最高の結果を得ることも可能性はあるわけです。そういう目標があるから、僕はこれからも懸命に努力をし続け、フィギュアスケートに打ち込むことができます。

 

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ネイサンはアメリカの選手なので、日本のマスコミによる雑音はあまり聞かなくてもすみそう。私も、最近は、誰々に勝つか負けるかというより、ネイサンが、試合までの時間を充実して過ごせて、健やかな身体で氷上に立つ姿を見れたらいいと、そう暮らしています。

All we want is you stay happy and smiling!

4CC Review by Daisuke Takahashi (大輔さんの四大陸レビュー)

 

This is the translation of a part of Daisuke Takahashi’s review after 4CC for  Nikkei Economic Journal.  (February 21, 2017) As he is always nice with all the skaters he writes about, his description about Nathan “class and masculine charm” is so cool that I tried translation to English. I think Daisuke means what he says about Nathan.

I hope it makes sense and would help him boost his motivation if he read. Bear with me for my not perfect translation.

四大陸後、大輔さんが日経新聞に寄稿している記事です。いつもどの選手への視線もあたたかい大輔さんですが、ネイサンのことを褒めてくれているので(「品も色気もあって」)、嬉しくて訳してしまいました。途中までで、英->日はあまり自信がないのですが、どんな形であれ、彼の応援になればいいなと思って訳しました。不完全な部分はお見逃しを!

 

Takahashi Daisuke for Japan Economic Journal, February 20, 2017

 

Hanyu will get his revenge in a month (translation) 

 It is Nathan Chen (the U.S) who won Four Continents Championships. Though he has been attracting attention for his jumps, the essence is that Nathan Chen is a skater with the total package.

His skating skill is top-rated among the men’s skaters.  His way of dealing with his legs is extremely beautiful.  I was amazed to find he is such a great dancer when I saw his short program.  He seems to be doing ballet.  He has both class and masculine charm, and he will be definitely  posing a threat to Yuzuru Hanyu.

Chen and Hanyu may have already gotten conscious of each other.  During the morning practice session of their free skating game, these two skaters stayed on the rink till the end, elaborately doing their imagery rehearsal.  I was thrilled to see the practice, feeling as if they were already competing.

As for Hanyu, he seemed to be setting his pace and energy  in the first part of his free program, but he successfully made his performance emotive in the second part.  If Hanyu had been at the full power from the beginning, Chen, as he stood, would not have beaten Hanyu.  I bet Hanyu has been now fully motivated.  It is about one month before the World Championship (Helsinki) and this is the perfect length of time for him to keep focused on training while feeling chagrined.  I want Hanyu to show his strength to Nathan, bringing home the fact that it is not the age for teen’s skaters yet.

(to be continued for Shoma Uno, Japanese ladies, etc. )

 

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「色気も品も」のところで躓きました(笑)。特に「色気」は、男性か女性かでも違うだろうし。スケーター「色気」ってそもそも使わないし、意味わからない、っていうご批判もあったよう。でも、ネイサン好きな(そうでなくても)人は、なんとなく、彼の演技を見て、17歳の「色香」みたいなものを感じるているのではないでしょうか。そして、きっとそれは「品」と裏腹なものなんじゃないかと、白昼夢状態で色々考えました。

原文には「男の」ってないけれど、ここはmasculineをつけておいた方がピンと来そうなのでmasculine charmにしました。それと大輔さんのこの日本語は、大輔さん風の独特の視点があるので、sexinessを使っても、逆にその独特さも出るのではないので、アリかなと。「坂の上の雲」をはじめ日本文学をたくさん訳されている、Juliet Carpenter さんにもアドバイスをそこについていただきました。

大輔さんのコメントが本当に血の通っているというか、ああ、本当にこう思って書いているんだろうな、という気がしました。ネイサン君にも日本で彼を応援している人はたくさんいるよ、愛されているよ、って伝えられたら、と思いました。

Scot Hamilton Show

icenetwork

  • 今日は偉大なゲストをお招きしました。アメリカ男子チャンピオンのネイサン・チェン選手です。ようこそ。

お呼びいただき大変光栄です。

  • ショートプログラムには驚愕し、フリーでは終わりになるにしたがって「歴史的な瞬間を目撃しているのだなあ」と感極まってきたんだよ。全米1週間の期間中、どんな思いで2つのプログラムを滑りきったのか、聞かせて。

ありがとうございます。グランプリファイナルを経てとても意欲が湧いてきました。今現在のトップ選手達に伍して戦い、あのような滑りをできたことは、自分にとってとんでもないことで予想もしていませんでした。ですので、ファイナル後もエネルギーが漲っていました。国際試合に関して言えば、数字の上でも他のアメリカ男子に比較していい位置につけていたので、自分の持てる力を発揮し、クリーンなプログラム2本を揃えれば、全米選手権でもタイトルを取る勝機は十分にあると感じていました。

ショート前には正直緊張していましたが、練習でやったことを信じてその通りにやれば上手くいくだろう、と言い聞かせました。終わった後は本当にホッとしました。特に、シーズン通じてそれまで一度もクリーンではなかった3Aに成功することができ、自分でもよくやったと思いました。フリーについては、もちろん滑りきるのにまだ難しいプログラムですが、自分の望む通りに滑れたら、自分の望む結果は得ることができる、きっとできる、と自信があったので、ショートに比べてリラックスをしていましたし、わくわくしていた状態で、結果もついてきてくれました。

  • 演技構成表をあらかじめ見てたんだけど、あそこはトリプルループのはずですよね。あれ、トリプルループなの(笑)。クワドサルコウにしたのは、あらかじめそうしようと計画をしていたの、それとも、試合で前半を滑ってみて様子を見てみよう、というものだったの。

様子を見てですね。シーズンを通じて、後半にクワドサルコウを入れることはずと練習していました。クワドサルコウは自分のクワドジャンプの中で特に一番に得意とするジャンプではないので後半に入れることは簡単ではありません。クワドがうまくいくか、体力がどれくらい残っているかも日によって違いますが、ただ、そうであったとしても、クワドサルコウをあそこで入れようと決めてました。ファイナルが終わって3週間練習を積んできて安定していたし、精神的にも肉体的にも大丈夫だったし、試合に入れるのはよい考えだと思っていたからです。試合前半までは、完璧には自分の望むような滑りではなかったのですが、入れました。

  • 君は能力、実績という点で、国内の他の選手をおいてきている状況だよね。僕はノービス、ジュニアの時代からずっと君の戦い、成長ぶりを見てきたわけだけれど、普通、幼い時にトップに登ると往々にしてその後苦労する選手が多い。若いうちに成功したことで、そこを最初から到達点として定められたように思ってしまうんだろう。全米優勝の今日に至るまで、君がどのように競争力を維持し続けているのか教えて。

チームに恵まれていました。それと僕が成功を体験したのはとても幼い時だったので、普段やっていることをやっただけで自分に何が起こったのかよく分かってなかったのかもしれません。あれがその後もう少し大きくなってからだったら、実際にジュニアタイトルもとったわけですが、それがピークになってしまっていたかもしれません。でも、あまりにも幼かったがために、もっと進化しなくちゃ、頑張らなくちゃ、と思えたんでしょう。周囲の家族、コーチが激励し続けてくれたのもためになりました。それに加えて、動機づけという点に関していえば、僕は今まで、これでもう十分だと思ったことがなくて、もっともっとと思うタイプです。特にクワドについては、ひとつできれば、別のもできる、もっとできる、とやり続けます。そうしたことが全部合わさって上手くいったんだと思います。

  • 僕の時代には、トリプルフリップはみんながやっていて、僕がルッツを引っ張っていて、ブライアン、ボイタノがトリプルアクセルを取り入れていたんだけど、ボイタノって、それまで見たことのないジャンプを一気にやるんですね。ネイサン、君はある意味それと似ていて、どのジャンプも同じように一気に取り入れ跳んで見せていますね。クワドループはあとどれくらいで入れてきますか、それが聞きたいな。

ループは自分の得意とするジャンプではないので、これまであまり力を入れてはこなかったんですが、もちろん、これからもっと力を入れないといけないジャンプですね。とにかくやって見ないと、始まらないわけで、まだ決めていません。将来は取り入れようと思っていますが、今の段階では、今自分が飛んでいるジャンプを集中して練習しています。素晴らしいコーチについて技術を一から教えもらったことは、本当にラッキーでした。おかげでずっと安定して跳べています。

  • 君に最初にスケートの技術を教えたのは誰?

最初のコーチは、Stephanee Grosscupで、素晴らしい人です。 彼女から1回転、ほとんどの2回転ジャンプ等様々なスケート技術を学び、そのあと、Karl Kobarからダブルアクセルを教えてもらい、ジャンプの基本的な技術を学びました。Karlはヨーロッパ、ロシア系の技術的なことを教えてくれ、彼から習ったことは後々、力強いジャンプを習得するのに役立ちました。そのあと、Denia Cherryshoveの元に行きました。彼女はそれまでに習得したジャンプを定着させるため徹底的に繰り返し練習させました。そのおかげで3−3やトリプルアクセルを跳び始める頃には、どのジャンプにも自信がついていて、ジャンプのことを心配しないで、自然に身体にまかすままに跳べるようになったのです。そのあとラファの元に行き、跳ぶ際に一切の迷いがなくなるほどに鍛えられて、高さ、力強さも出せるようになりました。まだ子供だったので、まだクワドを跳ぶ力はなかったわけですが、一度力がつけば、すぐにクワドが跳べるように育ててもらいました。

  • ラファって他のコーチと違っているでしょう。

ふふふ、ラファはとても個性的な人です。(笑)

 

  • ラファと一緒にいるのってとても楽しくて、大好き。何度も会いに来るようにご招待を受けているんでだ。どういった点で、ラファは他のコーチと違っているの。

ラファがリンクに現れるや否や、皆、その日にやることをやらなくちゃ、と緊張が走り、一生懸命やろうとします。ラファを満足させたいともちろん皆思いますし。僕も全員のコーチを知っているわけではないんですが、彼がリンクにもたらす雰囲気は他のコーチと違うと思います。ラファの存在がみんなからエネルギーを引き出します。

  • ラファを喜ばせたい、それとも、ラファを怒らせたいですか。

もしかしたら後者かも。(笑)

  • ラファって、「空手キッズ」の Miyagiみたいに最初言われても全然理解できないことをやらせるようですね。(笑)

そうです、3ヶ月経って、ああそういうこと、ってわかるんです。ラファの頭の中は、みんなの数歩先を行っているんです。

  • 君とラファは師匠と弟子としてとてもうまくいってるよね。ラファ曰く、ネイサンは汲みつくせぬタンクのようだ、と。今、17歳ということは、ピークは、北京五輪の頃だよね。今度の平昌五輪でも君は健闘するだろうけど、競技者の能力としてぴったりタイミングが嵌るのは、北京五輪の時でしょう。その頃君がどうなっているのか、想像もつかないな。

僕にとって随分先のことになってしまいますが、きっと今よりもっと強くなっているだろうし、ラファと一緒にやっていけば、僕が欲しいと思うものを手に入れることができると思います。

  • 振付師は誰ですか。

最も多く見てもらっているのはマリアズエワです。オフの時期でも、振り付け、エッジクォリティ、自分の見せ方について教えてもらいました。成果は見え始めていますが、まだ課題は山のようにあり、意識的に力を入れてやっている部分です。

  • まさにそう。特にSPを見ていると、ジャンプのことは気にならないくらい、氷の上の存在感、自分を表現することいい、本当に上達しているよね。音楽にもよく注意を払っていますよね。特に17歳ということを考えてみても、君は本当に上手だよ。君のプログラムはみんな好きだよ。あの「ピーターと狼」また演らないの。

ふふふ。僕も気にいってるんです。今演ったらすごいかもですね。

  • 衣装は小さすぎるけどね。

大きくしないといけないですね。

 

  • では、恒例のスピードQAの時間です。すぐに答えてね。

  • 好きなジャンプは?

トゥージャンプ。

  • 好きなスケーターは?

スコットハミルトン(笑)

  • 好きな市は?

ソルトレイクシティ。

  • 訪れるのに好きな国は?

日本。

  • 好きな色は?

ブルー。

  • 好きな動物は?

ラッコ。可愛いし。

  • 好きな食べ物は?

中華料理に慣れていますが、なんでも食べます。カンサスシティならバーベキュー。

  • 好きなスポーツチームは?

うーん、難しいけど、アイスホッケーが好きで、たくさん好きなチームがあるけど、Boston Bruins.

  • これまでのスポーツ選手のうち、好きな選手は?

マイケルフェルプス。

  • 好きな本は?

多分ハリーポッター

  • 好きなスーパーヒーローは?

Aleman。

  • 好きな曜日は?

土曜日。

  • 好きな航空会社。

うーん、多分ルフトハンザ航空。

  • 好きな映画。

うーん、すぐには思いつかない。

  • 社会保障番号。

うーん。(冗談です—ハミルトン)

  • もう一度、これまでで一番好きなフィギュアスケーター。

スコットハミルトン。(笑)

 

  • 以上です。君ほど成長が楽しみなスケーターはいないよ。世界選手権頑張ってね。

–お招きいただきありがとうございました。

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訪れたい国、と聞かれて速攻で「日本」って答えてくれているネイサン。NHK杯のStole the Showを踊っている時、幸せそうな笑顔で、きっと手拍子が嬉しかったんでしょうね。小樽でも楽しんだようですね。

Press Conference after US Nationals (Nathan, Vincent, Jason)

 

今年の全米男子メダリストの共同記者会見です。翻訳は一人ずつまとめました。

三人三様の答え方ですが、お互いに配慮しつつ遠慮がちに話すところが、初々しいです。

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link

Nathan’s Part

 

今日のフリーには非常に満足しています。跳ぶ予定であったジャンプを全部降りることができましたし、GPFから大きくテクニカルスコアを伸ばすことができました。サルコウジャンプも入れることができました。これらを達成できたことは、自分にとりとても大きな意味があります。点数は自分が期待していた以上のもので、興奮しました。

記者からの質問:

  • バレエ・ウエスト・アカデミーに通ったのは何年間で、最後にアカデミーに行った年は何年ですか。

最後にアカデミーに行ったのは2011、12年だったと思います。その頃が自分のバレエキャリアの最盛期でした。カリフォルニアに来てからは、バレエ・ウエストのような厳しい学校には通いませんでしたので、だんだんとバレエの力も落ちてきています。バレエを始めたのは、幼い頃のことであまりはっきり覚えていないのですが、2005年頃です。

  • 5つのクワド、トリプルアクセルをクリーンに降りたということについて、どんなメッセージを世界に発信したと思いますか。

アメリカ男子スケートが世界の舞台に戻って来たぞ、というメッセージを発信しました。ここ数年、アメリカ男子は、本来出すべき結果を出すことができていませんでしたが、ここにいる3人が、アメリカ男子が世界の舞台に戻って来たぞ、と告げたのです。そのことがとても嬉しいです。

  • 子供の頃、楽しんでバレエをしていましたか。それともやらなければならない義務のようなものだったのですか。

義務としてやっていたわけではないのですが、バレエ学校は正直、自分にとって気安さ感じる場所ではなかったですね。スケートに役に立つだろうと思ってやっていました。バレエ教室には仲の良い友達がいたので、芸術的なことを学ぶというよりは、友達に会いに行くという要素の方が大きかったわけです。ですが楽しかったです。

  • 体重、身長は?

5.6フィート(167.64センチ)、135ポンド(61.23キロ)ぐらいかな。

  • 五輪で金メダルは取れますか。

可能であると信じています。僕にとってはまだ遥か先のものであり、そこに到達するまでにはたくさんの課題もありますが、可能性は確実にあると思います。

  • これまでのシーズンを振り返ってどうですか。フリーは野心的な構成で臨み、やろうとしたことを全部やりきったわけですが。

やりきれたことにとても満足しています。若いスケーターとしての自分の進化の方法は、練習であるジャンプが飛べたなら、すぐに試合に入れて、試合を通じて安定化させることにあります。その精神で3つの試合に大きなジャンプを以って臨んできました。ここでもうおしまいというものはないのです。常に新しい要素を取り入れて挑戦し続け、自信を築いていきました。

  • 怪我について

それに関しては、まずジェイソンを讃えたいです。怪我を抱えたまま、全米というような大きな試合で戦い抜くというのが、どれだけ大変なことなのか理解できます。僕について言えば、去年の全米から長い道のりになりました。怪我をしてから通常の練習、ジャンプの練習に入り、プログラムをまとめるまでの間に、約半年を費やしました。ただし、練習を開始して以降は、状態は急速に良い方向に進みました。オリンピックセンターのリソースを利用できたことは極めてラッキーでした。UCSTで手術を受けたわけですが、自分が当初期待していた以上の素晴らしい、リハビリのためのリソースを利用することができました。彼らの協力がなかったら、自分はとても辛かったでしょう。リハビリ以降の状況はとてもスムーズで、氷上練習に戻ってからは比較的楽な状況になりました。

  • ラファとの関係、彼の貢献について

ラファは、今日のような結果が出ることを、ずっと何年も前から、僕が最初に彼のところで習い始めた頃から、期待していました。ソルトレイクシティのコーチの元では習わなかった基礎を叩き込んでくれました。コーチが替わるごとに自分も進化を重ねて来ましたが、アルトニアン氏は、自分にとっての究極のコーチです。10歳くらいから彼のコーチを受け始めて、ソルトレイクシティとカリフォルニアを行ったり来たりしたわけですが、13歳で公式に彼にコーチになってもらっていました。ここ数年、ラファは本当に自分を助けてくれて、お互いの絆も固いものとなっています。僕はラファのムード、気分を完全に察知するし、彼は僕のムードを察知するのです。お互いとてもうまくいっています。正直な話しをしますと、数ヶ月彼の元を離れ、ミシガンで過ごしたことによって、昨シーズンまでの問題をきれいに解決することができて、関係性も深まりました。

(以上、ネイサンの部分です。)

 

Vincent’s  Part

 

正直表彰台に乗るとは思いもしていなかったのですが、⾃分の期待以上の結果を出すことができました。⾃分の設定した⽬標は控えめなものでしたが、今週会場⼊りしてからの練習は好調で、今⽇の試合でも持てるものを出せたました。まだベストな内容とは⾔えませんし、もっと伸ばしていけるものもありますので、帰ってからまた練習に励みます。

  • 怪我について

僕もシーズン初めの頃、競技スケジュールが過密で回復に必要な適切な措置をとる時間がない状態で、ずっと苦しんでいました。ザグレブで⾏われたゴールデンスピンの後に、コロラドのオリンピックセンターに⾏き、ネイサンと同じように、そこでのリソースを利⽤しました。シーズンずっと問題を抱えていたわけですから治らないのではないかと、⼀時は意気消沈していたのですが、オリンピックセンターでは素晴らしいスタッフに恵まれ、彼らのおかげで、期待していた以上の急速なスピードで回復、元の状態にまで戻ることできました。実際は、以前より良い状態になりました。

(以上、ヴィンセントの部分です。)

 

Jason’s Part

遅れてすみません。最初に、⼆⼈の素晴らしい演技を讃えさせてください。バックステージで⾒ていて、興奮しました。僕自身については、厳しい1週間でしたが、やり抜いたことに対してよくやったなと誇りに思っています。

  • 怪我について

怪我をしたことは、それまで⾒えなかったものを気づかせてくれる経験となりました。人はあらゆる経験を通じて、⾃分⾃⾝のこと、忍耐⼒、精神的な強さを学ぶと思うのですが、そうして学んだことを、ここにいる⼆⼈も僕も、演技やシーズンの活動に摂り⼊ようとします。つまり、ここまでの道のりは⻑かったけれど、ここにたどり着くまでのその過程には素晴らしい⼈々が沢山がいて、その⼈達が⾃分のために尽くし、⾃分のために戦ってくれたことを思い出し、その想いが僕たちの演技のバックグラウンドになると思うのです。怪我をするたびに、僕はそこから何かを学び、成⻑し、それらを糧により良いものを表現し、前へと進むことができました。ここの⼆⼈も同じだと思います。

  • 今夜のあなたの演技は、あなたにとってベストとは⾔えないかもしれませんが、賞賛すべき演技でした。ご⾃⾝のキャリアの中で、今夜の演技がどのように位置付けをされ、この経験を今後どのような⽅向に活かされるのでしょうか。

今⽇の演技からたくさんのことを学びました。⾃分ができると思ったり、練習でできた以上のことを試合で出し切り、皆さんに賞賛をいただけるような演技をすることができました。そのことこそが⼼を⾼揚させてくれているのです。今後どう繋げるかですが、それは、⾃分がここまでできると思うよりも、常に次のレベルにまで⽬指すということです。ここに来る前も安定した練習を積めていて、試合に臨む態勢ができていました。それでも会場⼊りしてから、試合だけではなく、毎⽇の練習のたびごとに成⻑する機会を得ました。毎⽇何か新しいことを学んでいました。様々なことを試し、⾝体の反応を確かめ、プログラムを絶えず見直しました。毎朝6時頃に⽬が覚めるとすぐ「今⽇はもう⼀度コーチと話し合って、ここをこう変更しようと」と思いを巡らすような精神状態でした。経験から学んだことを摂り⼊れ、パックマンのように、エサを⼀個⼀個⾷べつくそうと試みました。今後も、たとえ試合に臨む上で完璧な準備は出来ていなくても、⾃分はもっとできるんだという気持ちでやっていきます。

(以上ジェイソンの部分)

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ヴィンセント君、他の二人(特にジェイソン君)と比べて言葉数は少ないけれど、素直で、とっても聡明な感じがしました。演技と同様に、情熱をじわーっと内側に湛えているような。

Backstage Interview at U.S. Championship after Long Program

 

全米フリー後直後のバックステージインタビューです。

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(ネイサン選手、大幅に記録を塗り変えたフリープログラムを今終えました。)

このスコアは当分破られそうにもないですね。5クワドを入れると決めたのは、今日の試合のなかで「やってみよう」と感じて、それで跳んだのですか。)

おそらく、そうだと思います(笑)。GPFの後、このプログラムを見直し、さらに強化したくて、5クワドをここ4週間ほど練習に取り入れ実施してきました。ただ実際に跳ぶぞと決めたのは、今日の試合が始まってからの最後の最後になってからです。

(表現面においてもGPFのときと比べるとはっきりと進歩していますよね。)

はい、表現面に関して、もっと改善を図ろうと推し進めてきたのは明らかです。でもさらに良くする必要があると認識しています。このフリープログラムはテクニカルの面ではとても強いのですが、PCSの面ではもっと強化して世界で戦えるようにする必要がありますし、それが僕のやっていることです。

(「テクニカルの面ではとても強い」—この言い方はおそらく控えめすぎる表現だと思うのですが、最後の質問にいきます。カンサスシティで成功した秘訣を教えてください。)

こちらの方々から教えてもらった、Jack Stackというバーベキューのお店です(笑)。僕はそれで力が湧いてきたのです。

(皆さん、聞きましたか。クワドジャンプを跳びたいならば、カンサスシティでバーベキューを食べるといいそうですよ。おめでとうございます。)

ありがとうございます。

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滑った直後で、お肌が紅潮しています。嬉しそうね。

The Kansas City Star Interview — Nathan Chen: The future of U.S. men’s figure skating?

 

地元のカンサス・シティ・スター紙が、全米の試合直前に行ったインタビュー。

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((クワドジャンプを跳ぶ上で)精神的、⾁体的に要求されるものについて教えてください。)

クワドジャンプを跳ぶ上で⼀番⼤きなことは、怖がらない、恐れないように気持ちを持っていくことだと思います。新しいクワドを試みることは丘に登るようなものですが、一度越えてしまうとあとは精神的には楽になります。もちろんプログラムの中で何回もやることは、精神的、⾝体的にも⼤変なエネルギーを使いますが、それもスケートの楽しみの⼀つです。

(こうした新しいことに挑戦をするうえで、ご⾃⾝でフィギュアスケートというスポーツの発展に貢献しているという意識はありますか。)

はい。進化しようとするあらゆるものの⼀部の人間です。誰でも人は⾃分がどこまでいけるのかを探り、自分の限界を推し進めようとします。それが僕の場合はジャンプを跳ぶことになのですが、それがこのスポーツの発展に役⽴つことだろうと思っています。

(スケートをする原動⼒となっているのは何ですか。楽しいから、または、五輪に⾏かなくては、と思うからですか。)

五輪に⾏くことは、ほとんどすべてのアスリートが望み、⼀番⼤きな原動⼒となっていると思いますし、アスリートであれば五輪に⾏く可能性があります。それと同時に、⾃分のやっていることが好きでなければ、毎⽇練習を乗り切ることなどできないでしょう。だから好きというのも原動⼒ですね。

(例えば1964年以来初の—とか⾔われたりして、重荷に感じたりしますか。それとも、名誉に思うのでしょうか。)

神経質になったり、プレッシャーも感じることもありますが、まさにそうしたことが⾃分の⽬標であり、そのためにこれまで頑張ってきていることでもあるのですから、恐れるのではなく、そうした⽬標に向かって頑張って、楽しみあんまり考えすぎないようにしていますね。ですので、はい、⼈から初の—と⾔われるのは名誉に感じます。

(カンサスシティで、どこかに出かけましたか。)

ほとんどホテルと会場で過ごしていますが、ここでは皆さんバーベキューの話をよくされるので、Jack Stack というバーベキューのお店に⾏きました。美味しかったです。

 

http://www.kansascity.com/sports/spt-columns-blogs/vahe-gregorian/article127773044.html

JANUARY 20, 2017 4:02 PM

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フィギュアスケートへの貢献、という大上段な質問をされて、「誰もが自分の可能性の限界に挑戦しようとする」と答え、それから「僕の場合は」というように、一般的な言い方から次に自分のことについて話すのが、自分を抑制しながら話すことを知っているなあ、といつもながら感心してしまいました。バーベキューのお店がお気に入りのようですね。いっぱい食べて、もっともっと丈夫になって欲しいなあ。

IceTalk: Rafael & Nathan Interview

全米後にJackie WongさんがicenetworkのICE TALKというシリーズの中でラファエル・アルトニアンコーチ、ネイサンに行った長いインタビューです。そのインタビューの内容について、Jackieさんが私の翻訳をご自身のブログの中で記事にしてくださいました。とっても嬉しかったです。動画付きでとっても綺麗に編集してくださっているので、こちらを紹介させてください。

興味の尽きない内容だったので、量が多くてふらふらしながらも、夢中で翻訳できました。音声とともにどうぞ。

Jackie-san’s blog

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翻訳には入っていませんが、ラファに最後の挨拶のところで、ジャッキーさんが「アメリカのスケート界にあなたがもたらしてくれたものに感謝します」とお礼を言った後、ラファが、「私を今あるようにしてくれたのはアメリカだから、アメリカのために尽くしたい。そうできることを誇りに思う。」という趣旨の言葉を述べていました。それが印象的でした。

今年の四大陸は興奮しました。今なら言えますが、GPFの戦い方を見て、ネイサンが真ん中に立つこともあり得る、って思っていました。そういえばジャッキーさんもネイサン優勝を予想していました。全米のようなクリーンなフリーではなかったし、楽な試合でもなかったけれど、最終滑走者として力を出し切った中で、ネイサンが競り勝つことができたということは感嘆するしかないし、なにより勝利がわかった瞬間キスクラでラファがネイサンの腕をあげた姿を見て、とても嬉しかったです。

これからネイサンにはいろんなことが待ち受けているかもしれないけれど、なにがあっても、側にラファがいてくれさえしたら、きっと大丈夫、ネイサンもそう思っているんだろうな、と感じる今日この頃です。

NBC Sports Interview Prior To US Nationals / 全米前NBCインタビュー

 

 

NBC Sports

ネイサンNBCビデオ: 一度リンクに足を降ろせば、自然と身体が滑り出す。なんとも表現できないいい気持ちだ。 こういうジャンプのは中毒性がある。降りても、あともう一回もう一回とやりたくなる。

全米は、シーズンを通じて最大の競技会で、みなこのために精力を注ぎ込んで、ベストの演技を目指している。周囲の人が見えないくらいに集中しなければいけないと同時に、皆のために演技をしたいと思う。

全てのプランが上手く行けば、世界選手権に出れるだろう。自分にとって初めての世界選手権なので、大きなステップだ。なのでよい精神状態に持っていきたいし、自分がやらなければならないことをやりとげたい。

 

 

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二段落目の「周囲の人が見えないくらいに集中しなければいけないと同時に、皆のために演技をしたい」が対比を使っていているのがツボ。”zone out” っていう表現が素敵。

ところでネイサンって精神的に強い子だよね。見習いたいです。

Press Interview after SP at Nationals 2017 / 全米SP後の記者会見

(SP後のインタ)今シーズン通じてずっとやろうと目指していたSPをやっと実現できた。全てのエレメントを降りたし、やろうとしたことを全部やり遂げた。大きな一歩であり、高得点ももらえて、とても嬉しい。レベルも取れたとようで自分にとって大きな進歩だ。今夜の試合にはとても満足です。

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手持ちマイクで答えるネイサンの映像みて、一緒にカラオケで歌う場面を想像して、ぼーっとしてました。

Backyard Interview After Short Program / 全米SP後インタビュー

icenetworkcom

This is an interview after the short program posted on 01/21/17

SP後のINのインタビューです。

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(試合のことはまずは置いといて、昨年の全⽶から今⽇ここ全⽶に戻ってくるまでの道のりについて聞かせてください。)

⻑かったです。約5ヶ⽉完全に氷上に⽴てませんでしたし、リンクに戻ってジャンプの完全なジャンプの練習をするまでに1.5ヶ⽉から2ヶ⽉かかりました。その期間はとても苦しかったのですが、頑張りました。おそらくそれを乗り越えたので、強くなり、今⽇このような演技ができたのだと思います。

(⾝体的には以前よりも110パーセント回復ともいわれていますが、このような野⼼的なジャンプに臨もうとするのに、精神的にはどんなことが必要となるのでしょうか。)

コロラドスプリングで、オフアイスでリハビリをしていましたが、怪我するよりも必ず強くなると、⾃信が湧き上がるのを感じてました。ジャンプの練習を開始した時には、トゥジャンプが戻っていました。そこで⽌めるべきではない、と続けてフリップとルッツを跳び、感覚を取り戻しましたが、その時に3回転ジャンプの⾼さを感じました。僕とラファが何年も取り組んでいたもので、今⽇はそれができたということですね。

(皆さん、彼はクワドサルコー、クワドトゥーをやったあと、そこで⽌めようととは思わなかったそうです。フリーの健闘を祈ります。)

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ネイサンはインタビューに答えるとき、自分の答えが少し長くなっても、最後は必ず聞かれた質問の内容や構造に正確に沿って答えようとしていて、接続詞もちゃんと意識して使ってるようです。大人になってもできる人は多くないし、簡単なことではなくて、賢い子なんだと思いました。

四大陸選手権、現地入りしたそうですね(日本時間月曜日)。のびのび滑って欲しいですね。