Media teleconference prior to the 2017 U.S. Nationals

 

This is the translation of Nathen’s media conference prior to the 2017 U.S. Nationals posted on ice network 01/14/17

2017年全米選手権前の2017年1月14日にicenetworkに掲載された、電話会議の内容です。

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ファイナルの後はミシガンで2週間、振付を詰めて、カリフォルニアで2週間、ラファについてジャンプの練習をしている。とても好調で、全米でそれをお見せしたい。

(ラファエルとズエワとの間を行き来していることについての必要性、理由など)

夏に行われたゴールデンウェストの試合については、計画も練っていたわけではなく、その結果についてもさほど気にしてはいなかったが、全米の後、プログラムコンポーネントの点で、遅れをとっていると認識をし、そこを強化しなくてはならなかった。ズエワの元でショートの振付について、何か一緒にできるものがあるかとの話が持ち上がり始めた。実際うまくいき、振付、演技構成の部分を強化するためミシガンで過ごすという話になり、そう決めた。ただ、フランス杯の後、技術面のの課題が見つかり、N杯、GPFに行く前に、ラファの一時戻った方がいいというアドバイスも受けてそうした。

(パトリックからの演技構成への影響について)

自分では、技術面の強化をより重視している。パトリックのスケートは美しく、表現力は素晴らしい。ただ、技術面で失敗をすることもあり、それがあって自分がファイナルで彼に勝てたのだと思う。もっと表現面を強化しないといけない。ただ、優先順位は技術面で、難しい構成を完璧にするためにも、いかにジャンプをもっと安定させるかが課題だと思っている。パトリックと練習環境を共にすることは、もちろんとても勉強になる。二つの環境は全く異なり、ミシガンでは、演技構成に重点を置いた練習をし、カリフォルニアではジャンプを中心とした技術面の練習に集中している。全米では、ラファが帯同する予定です。

(全米でタイトルをとるだろうと大いなる期待が寄せられているが、どうプレッシャーに対処しているか)

あまり感じてはない。GPFの終わった段階で、全米に臨むいい態勢ができてきたと感じたが、それと同時に、難しい構成なので、ミスを発生させるリスクを取り除き、確実に自分が望むものを達成しようと、今はそれに集中できている。

(タイトルをとるだけだけではなく、クワドをやって見せないといけない、というようなプレッシャープレッシャーは感じるか)

それはない。いくつクワドを入れるかは、試合の流れによるし、ラファも自分も最初からどのジャンプをいくつ入れなければとは考えていない。

(3アクセルについて)

今季、とても力を入れて練習をしてきたジャンプであり、かなり改善されたと思っている。ラファがそのための良い訓練方法をたくさん提示してくれていて、3アクセルを跳ぶ上での正確な身体の位置やタイミングを会得できるよう練習できている。いくつかの大事なポイントを押さえられるようにできていて、アクセルジャンプで頭がいっぱいにならなくなり、以前出来なかったこともできるようになった。

(昨年全米エキシビション中の大怪我、キャリアのピークを途中で中断されたこと。何かそこから学んだことは)

シーズンを通じて、どこにピークを持ってきて、推し進めて、出し切って、その後リカバリーに充てるべきかについて学んだことが大きいと思う。もちろん、世界選手権に出られなかったことは辛かったけれど、まだ若いしこれから何度でもチャンスはあるだろうと思え、だからそんなに酷くは落胆しなかった。もっと強くなって復活してみせる、という動機づけに繋がったし、それが実現したのだ、と思っている。怪我直後のショックは大きいものだったけれど、ひとたびリハビリ期間にはいれば、何がいけなかったのだろう、リンクに上がる時の身体の調子はどうあるべきものなんだろう、次に同じ過ちをしないようにはどうすればいいのかと内省することもできた。ただ、スケートのことばかりを考えないようにもした。幸い一緒に時間を過ごしてくれる仲間もいて、助かった。

(昨年の大怪我から間もないのに、クワドの投入。当時の身体の状態は)

今の身体の状態は細かなところを除いて何も問題はない。昨年の全米は期間中、身体の痛みが酷く、どう痛みを軽減できるか、ずっとコントロールしなければならなかった。SPまではなんとか持ちこたえたけれど、SP後痛みはさらに酷くなり、やりたい練習も諦め、LPまでオフの日を設けざるを得なかった。FP中には、痛みは意識下に止まっていたけれど、エキシビションまでにはストレッチや回復に充てる時間もなくて、それまで積もっていたものが出てきて怪我をした。手術を終えて、体の調子がよく、それまでに持っていたものは失われず、一度リンクで練習を始めてみれば、すぐに取り戻すことができ、それ以上に前より良い状態になった。

(世界選手権への展望。プログラム構成について、例えば5クワドの投入は)

プログラムコンポーネンツ改善に時間を割きながら。この2週間4ループを除く全ての種類のクワドを練習している。それを実施するかは世界選手権までの身体の状態にもよる。もしよい状況であれば、今とは違うジャンプも投入することもオプションとして考えている。

(あの事故は避けられたものなのか。ウォームアップルーティンの修正方法について)

リハビリ中オフアイスの時間で、最も時間を割いたのが、準備、回復のためルーティンの計画の策定であり、トレーナーと一緒にとてもよいパッケージを策定できた。特に回復のルーティンは、次の試合までに、短い時間で回復できるように作られている。正直昨シーズンは大変なシーズンで、あの怪我はどうやっても避けられなかったのかなと思える。リハビリの期間中は、良い教育の時間だった。

(GPF後の自身へのフィーバーについては)

マスコミの注目には慣れているし、それに踊らされるということはないけど、避けているというわけでもない。昔から注目を浴びていて、今の状況はそれと同じではないけれども、ある意味嬉しいです。

(五輪について。金メダルを取れると思うか)

それは、他の選手の状況や、その時までに自分がどう成長しているかによる。事実、今とは異なるクワドを投入して、さらに技術面で高いスコアをとることも念頭に置いている。だから、可能性としてあるかと聞かれれば、あると言えるけど、それは今後数カ月の状況による。ただ五輪のメダル候補についての話題に登ること自体、嬉しい。考えてもいないことでしたから。もっともっとやらなければならないことがあるし、ジャンプも安定させないといけないけど、嬉しい。

(試合に投入するクワドについて)

試合前には当然構成表を作って、それに沿っていますが、それがうまくいかなかった時のためのバリエーションも練習して、コンボ等、全ての要素を漏らさないようにして、GPシリーズでそれを実践した。十分な練習をしているのでバリエーションを実施しても、全体に影響が出ないようにしています。

(以上)

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彼の英語を聴きづらい、と感想を言っても、ネイティブにとってはスピードは自然で発音もスタンダード、って言われるんちゃうんですよね。聴きづらい理由は、アクセントの置かれていない音が聴こえづらいことだろうと。その場合は前後の文脈から予想して音をキャッチするしかないだろうとも。

確かに慣れてくると、聴いていて快感になってくるような。

プレッシャーの話のところに出てきtake something in stride は、〜を対処するという表現で、ビジネスかどこかで使えそう。

2件のコメント

  1. ネイサン選手のインタビュー、日本語でじっくり読むことができてホント幸せです。ありがとうございます。
    彼はしっかり自分のやるべきことがわかっていて、目標を持ち、全くぶれないでそこに向かって突き進んでいるということが良くわかりました。
    また、そういうことをやり遂げるために綿密なスケジュールを立てているということ、若いのに良く考えていてすごいことだなあと感心しました。
    非常に聡明な人ですね。
    FPの「イーゴリ公」では、今シーズンすべての試合で、入れてくるジャンプのパターンが違っていました。ミスがあってもリカバーできるように十分練習しているということですが、こんないろいろなバリエーションに対応できるのはすごいことだし、他にこのようなことをしている選手はいないです。
    彼は本当に特別な才能を持った選手だと思います。

  2. ひろみさん、コメントありがとうございます。ヘルシンキ、国別と滅多にできない観戦に出かけてしまったため、更新が遅くなってしまいました。
    ネイサンのルッツが足を痛めているから、フリップに変えるとか、3A安定しないからクワドにするとか、なんか変でしょ、って笑っています。見ていてワクワクしかしない選手ですよね。これからも一緒に応援しましょう。

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