Press Conference after US Nationals (Nathan, Vincent, Jason)

 

今年の全米男子メダリストの共同記者会見です。翻訳は一人ずつまとめました。

三人三様の答え方ですが、お互いに配慮しつつ遠慮がちに話すところが、初々しいです。

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Nathan’s Part

 

今日のフリーには非常に満足しています。跳ぶ予定であったジャンプを全部降りることができましたし、GPFから大きくテクニカルスコアを伸ばすことができました。サルコウジャンプも入れることができました。これらを達成できたことは、自分にとりとても大きな意味があります。点数は自分が期待していた以上のもので、興奮しました。

記者からの質問:

  • バレエ・ウエスト・アカデミーに通ったのは何年間で、最後にアカデミーに行った年は何年ですか。

最後にアカデミーに行ったのは2011、12年だったと思います。その頃が自分のバレエキャリアの最盛期でした。カリフォルニアに来てからは、バレエ・ウエストのような厳しい学校には通いませんでしたので、だんだんとバレエの力も落ちてきています。バレエを始めたのは、幼い頃のことであまりはっきり覚えていないのですが、2005年頃です。

  • 5つのクワド、トリプルアクセルをクリーンに降りたということについて、どんなメッセージを世界に発信したと思いますか。

アメリカ男子スケートが世界の舞台に戻って来たぞ、というメッセージを発信しました。ここ数年、アメリカ男子は、本来出すべき結果を出すことができていませんでしたが、ここにいる3人が、アメリカ男子が世界の舞台に戻って来たぞ、と告げたのです。そのことがとても嬉しいです。

  • 子供の頃、楽しんでバレエをしていましたか。それともやらなければならない義務のようなものだったのですか。

義務としてやっていたわけではないのですが、バレエ学校は正直、自分にとって気安さ感じる場所ではなかったですね。スケートに役に立つだろうと思ってやっていました。バレエ教室には仲の良い友達がいたので、芸術的なことを学ぶというよりは、友達に会いに行くという要素の方が大きかったわけです。ですが楽しかったです。

  • 体重、身長は?

5.6フィート(167.64センチ)、135ポンド(61.23キロ)ぐらいかな。

  • 五輪で金メダルは取れますか。

可能であると信じています。僕にとってはまだ遥か先のものであり、そこに到達するまでにはたくさんの課題もありますが、可能性は確実にあると思います。

  • これまでのシーズンを振り返ってどうですか。フリーは野心的な構成で臨み、やろうとしたことを全部やりきったわけですが。

やりきれたことにとても満足しています。若いスケーターとしての自分の進化の方法は、練習であるジャンプが飛べたなら、すぐに試合に入れて、試合を通じて安定化させることにあります。その精神で3つの試合に大きなジャンプを以って臨んできました。ここでもうおしまいというものはないのです。常に新しい要素を取り入れて挑戦し続け、自信を築いていきました。

  • 怪我について

それに関しては、まずジェイソンを讃えたいです。怪我を抱えたまま、全米というような大きな試合で戦い抜くというのが、どれだけ大変なことなのか理解できます。僕について言えば、去年の全米から長い道のりになりました。怪我をしてから通常の練習、ジャンプの練習に入り、プログラムをまとめるまでの間に、約半年を費やしました。ただし、練習を開始して以降は、状態は急速に良い方向に進みました。オリンピックセンターのリソースを利用できたことは極めてラッキーでした。UCSTで手術を受けたわけですが、自分が当初期待していた以上の素晴らしい、リハビリのためのリソースを利用することができました。彼らの協力がなかったら、自分はとても辛かったでしょう。リハビリ以降の状況はとてもスムーズで、氷上練習に戻ってからは比較的楽な状況になりました。

  • ラファとの関係、彼の貢献について

ラファは、今日のような結果が出ることを、ずっと何年も前から、僕が最初に彼のところで習い始めた頃から、期待していました。ソルトレイクシティのコーチの元では習わなかった基礎を叩き込んでくれました。コーチが替わるごとに自分も進化を重ねて来ましたが、アルトニアン氏は、自分にとっての究極のコーチです。10歳くらいから彼のコーチを受け始めて、ソルトレイクシティとカリフォルニアを行ったり来たりしたわけですが、13歳で公式に彼にコーチになってもらっていました。ここ数年、ラファは本当に自分を助けてくれて、お互いの絆も固いものとなっています。僕はラファのムード、気分を完全に察知するし、彼は僕のムードを察知するのです。お互いとてもうまくいっています。正直な話しをしますと、数ヶ月彼の元を離れ、ミシガンで過ごしたことによって、昨シーズンまでの問題をきれいに解決することができて、関係性も深まりました。

(以上、ネイサンの部分です。)

 

Vincent’s  Part

 

正直表彰台に乗るとは思いもしていなかったのですが、⾃分の期待以上の結果を出すことができました。⾃分の設定した⽬標は控えめなものでしたが、今週会場⼊りしてからの練習は好調で、今⽇の試合でも持てるものを出せたました。まだベストな内容とは⾔えませんし、もっと伸ばしていけるものもありますので、帰ってからまた練習に励みます。

  • 怪我について

僕もシーズン初めの頃、競技スケジュールが過密で回復に必要な適切な措置をとる時間がない状態で、ずっと苦しんでいました。ザグレブで⾏われたゴールデンスピンの後に、コロラドのオリンピックセンターに⾏き、ネイサンと同じように、そこでのリソースを利⽤しました。シーズンずっと問題を抱えていたわけですから治らないのではないかと、⼀時は意気消沈していたのですが、オリンピックセンターでは素晴らしいスタッフに恵まれ、彼らのおかげで、期待していた以上の急速なスピードで回復、元の状態にまで戻ることできました。実際は、以前より良い状態になりました。

(以上、ヴィンセントの部分です。)

 

Jason’s Part

遅れてすみません。最初に、⼆⼈の素晴らしい演技を讃えさせてください。バックステージで⾒ていて、興奮しました。僕自身については、厳しい1週間でしたが、やり抜いたことに対してよくやったなと誇りに思っています。

  • 怪我について

怪我をしたことは、それまで⾒えなかったものを気づかせてくれる経験となりました。人はあらゆる経験を通じて、⾃分⾃⾝のこと、忍耐⼒、精神的な強さを学ぶと思うのですが、そうして学んだことを、ここにいる⼆⼈も僕も、演技やシーズンの活動に摂り⼊ようとします。つまり、ここまでの道のりは⻑かったけれど、ここにたどり着くまでのその過程には素晴らしい⼈々が沢山がいて、その⼈達が⾃分のために尽くし、⾃分のために戦ってくれたことを思い出し、その想いが僕たちの演技のバックグラウンドになると思うのです。怪我をするたびに、僕はそこから何かを学び、成⻑し、それらを糧により良いものを表現し、前へと進むことができました。ここの⼆⼈も同じだと思います。

  • 今夜のあなたの演技は、あなたにとってベストとは⾔えないかもしれませんが、賞賛すべき演技でした。ご⾃⾝のキャリアの中で、今夜の演技がどのように位置付けをされ、この経験を今後どのような⽅向に活かされるのでしょうか。

今⽇の演技からたくさんのことを学びました。⾃分ができると思ったり、練習でできた以上のことを試合で出し切り、皆さんに賞賛をいただけるような演技をすることができました。そのことこそが⼼を⾼揚させてくれているのです。今後どう繋げるかですが、それは、⾃分がここまでできると思うよりも、常に次のレベルにまで⽬指すということです。ここに来る前も安定した練習を積めていて、試合に臨む態勢ができていました。それでも会場⼊りしてから、試合だけではなく、毎⽇の練習のたびごとに成⻑する機会を得ました。毎⽇何か新しいことを学んでいました。様々なことを試し、⾝体の反応を確かめ、プログラムを絶えず見直しました。毎朝6時頃に⽬が覚めるとすぐ「今⽇はもう⼀度コーチと話し合って、ここをこう変更しようと」と思いを巡らすような精神状態でした。経験から学んだことを摂り⼊れ、パックマンのように、エサを⼀個⼀個⾷べつくそうと試みました。今後も、たとえ試合に臨む上で完璧な準備は出来ていなくても、⾃分はもっとできるんだという気持ちでやっていきます。

(以上ジェイソンの部分)

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ヴィンセント君、他の二人(特にジェイソン君)と比べて言葉数は少ないけれど、素直で、とっても聡明な感じがしました。演技と同様に、情熱をじわーっと内側に湛えているような。

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