The Triple Flip
フリーの彼女の演技は素晴らしかった。レイチェルカラー出ていたもん。
観ているファンとしては、無事終わったことの安堵「よくやったよレイチェル。さすが社長!」で涙目になったはず。
当然、いいスコアを期待した。・・・が、あんまり伸びない。・・・えっ?フリップがダウングレード? なんで~~~~~~
キスクラのレイチェルは、一瞬「おや」という感じだったけど、それでも笑みを絶やさなかった。だから自分がぶーぶーいうのは止めよう、そう思いました。
だけど全てが終わって、彼女の総合の順位が7位となってしまったことを見届けた表彰式の後は、しばらくベッドに突っ伏してしまった。なんで~~、なんで~~、あれのどこがダウングレードだっていうのよ~レイチェルにだけ厳しいじゃん、とシクシク。
翌日も立ち直れなかった。こんな気持ち初めてなんよ。失恋したみたい。
従来から、フィギュアは採点競技ゆえ、ジャッジの判定にケチつけたら競技自体が成り立たない、だから文句いってもしょうがないのよ、なんて思ってたんですが、いざ自分の好きな選手の身にふりかかると、これは結構ツライもんです。
素人の私が考えてもわかりっこない!、そう思って、彼女のコーチ、トムザクラジェック氏のブログ「トム先生のバンクーバー日記」ブログのコメ欄に、「観ているほうとしてもどうしてか知りたいので、いつか近い将来、ご説明をいただけないでしょうか」質問を書いてしまいました。
選手のコーチに対してなんて生意気なことを、と後悔しましたが、翌日のトム先生は、このフリップのダウングレード評価について、ブログの中に書いてくださってました。(先生ありがとう)
The Triple Flip (from My Vancouver 2010 Journey by Tom Zakrajsek)
(大事なのでこれは全訳します)
Since many reporters have called and I have received several e-mails from many people, I thought I should say something about Rachael’s technical scores from the long program. Rachael and I accept the calls about her triple flips being downgraded. In our sport these type of calls are labeled “field of play decisions”. The ISU can better explain this process since it is not entirely transparent to coaches and athletes like it is in the NFL or other sports that use instant replay.
多くの記者、人々から電話やe-mailで照会があったので、レイチェルのフリーの技術点について何か自分でも言わなくてはならないのだろう、と思うに至りました。
レイチェルも私も、彼女のトリプルフリップがダウングレートと評価されたことを受け容れています。フィギュアスポーツの世界においてこの種の判断は、現場での決定(”field of play decisions”)と呼ばれていますから。
ただ、評価のプロセスはコーチや選手に対しても完全に透明になっていないので、ISUはこれにつき、NFL等のスポーツにように、すぐに再生(リプレイ)を見せることによって、より納得のいく説明ができるのではないか思います。
After watching her performance first on CTV and then on NBC when I returned home, I did not see anything that made me suspicious that both triple flip jumps were underrotated. In fact, commentators from both television stations were also surprised by the calls based on slow motion replay of the jumps in question from their camera angles (the ISU camera is not part of the various network cameras).
演技が終わったあと、まず、ケーブルテレビで彼女のプログラムを見直し、それから家に帰ってNBCを見たのですが、私としては彼女のフリップ二つともについて、回転不足をとられるであろうという疑わしい要素を見つけることができませんでした。実際に二つのテレビ局の解説者もテレビ局のカメラのスロー再生をとおして問題のジャンプを見て、このジャッジの評価に驚いていました。
(ISUが使っているカメラと各局が放映のために使っているカメラとは違います)Her GOEs from the judging panel indicate that in the case of the triple flip-triple toe combo she gained an extra .60 points based on the quality of completion.
(In her short program when she was given full credit for the same combination, she gained .40 points.) If a judge thinks a jump is not fully rotated when they review it on their screen (judges can review up to four elements in slow motion), that judge can take a minus deduction between -1 to -3, with -1 being less severe and -3 being the most severe. On her second triple flip combination with 3 jumps, Rachael was given 4 base values, 2 +1s and 3 -1s. She lost only .06 on this combination after the high and low marks were dropped and then averaged. These are the facts I know from the score sheet that Rachael and I were given.
彼女のGOE(技の出来栄え)のほうは、トリプルフリップ、トリプルトゥーのコンビネーションジャンプでは、回り切った分についてだけ0.6の加点をもらっています。
ショートの演技では、同じコンビネーションについて、トリプルとして完全に認定されていますが、その加点は0.4です。
もし一人のジャッジがジャンプの回転が足りていないと判断すると、他のジャッジが自分達のスクリーンでその部分の見直しのチェックをします。(審判はスロー再生で4つの要素まで見直しチェックをすることができます)、そのあとで、ジャッジは1から3までの減点をします(もっとも軽いので-1、厳しいもので-3)。
彼女の2回目のフリップから始まる3連続のジャンプのコンビネーション、基礎点が、4で、2+1s、3-1sです(**)。一番高い点数と一番低い点数を除いて、平均した結果彼女が失ったのは、わずか0.06のです。これらが、レイチェルと私が受け取ったスコアシートから分かった事実です。
Downgrades are common in our sport for many of the top skaters (men and women)–not just Rachael. When they are not obvious to the naked eye, these calls are frustrating not only to the skaters and coaches, but also to the fans and audience that doesn’t understand. Perhaps the ISU can show the camera angle they use on a big screen like they do in the NFL and give the audience the ability to agree or disagree with the specialists’ call. Even though this would not change the final decision, greater transperency would be good for the sport.
レイチェルだけではなく、ダウングレードはフィギュアスケートで多くのトップスケーターにとって(男女ともに)、共通の課題です。
ダウングレードが裸眼で明らかではないときに、ダウングレードと評価されるということは、選手やコーチだけではなくて、ファンや観客にとって苛立だしいものとなります。ISUも、おそらく、NFLと同じように大きなスクリーンを使って審判のカメラアングルの様子を写したらいいのではないでしょうか。それによって、観客も技術審判員の下した評価に賛成するか、賛成しないかにかかわらず、自分の目で判断する機会が与えられるのですから。こうした措置によって最終的なジャッジの決定が変わらないにしても、より透明性を確保され、フィギュアスケートにとってよいことになると思うのです。
**の箇所、よくわからないので、詳しい方教えてくださいませ。
ということです。 先生、いつもながらよいことおっしゃる。
ファンも悲しいけど、もちろん選手と選手を指導しているコーチにとってはツライでしょうね。
今回初めてスコアリザルトなるものをじっくり見てしまいましたが、
難しいといわれているルッツやフリップと他のジャンプとのコンビネーションの点数というのは、例えば、ダブルアクセルを絡ませたシークエンスとほとんど点数が変わらないのですね。
ということは、優しいジャンプ構成で加点をもらったほうが、点数は伸びるので、今のルールのままでは、難しい技をやろうとする選手は少なくなってしまうのではないかな、
そしたらスポーツとして面白くない
なんてニワカな私には不似合いなことを考えてしまいました。
でも、レイチェルはこれからも、鬼プロ構成を変えないだろうなあ。
社長になんだかシークエンスって似合わない気もするし、ゴージャスにいってくれ、と思うのです。
3月のトリノワールドの演技で、この問題を忘れさせてくれることを期待しましょう。
がんばれレイチェル!
お写真、Carmeron Spencerさん
最後にお口直し。3歳のころのレイチェル!
リンク
2010年3月2日 2:40 PM | カテゴリー:Vancouver Olympic | comments(8)


こんにちはー。
あれだけクリーンに回った(としか見えない)ジャンプをDGされて(しかも2つ)、もっと噛み付いてもおかしくないはずなのに、現実を受けとめ「それが課題」と言えるこの2人は本当に立派だと思います。
その上で、トップ選手のコーチという立場において、決して感情的にではなく、1つの発展的な提案として意見を述べてくれるのは、ファンにとってもありがたいことです(ジャッジがその判定に絶対的な自信があれば、大きなスクリーンに映し出されても問題ないはずですからね)。
教え子についてこれだけ真摯に冷静に対応してくれるコーチってなかなかいないですから、トム先生の人柄を感じますね。そんなトム先生の指導が魅力的なレイチェルというスケーターを育てたんだと思うと感慨深いものがあります。
がんばれ、レイチェル!
追伸:口直しどころか・・・リンクサイドから進みだすときに肩をきゅっとすくめているのをみて「あーレイチェルだ♪」。堂々とした滑りはこのころからだったんですね~(^^)
コメント by みやすけ — 2010年3月2日 @ 4:34 PM
レイチェルの応援サイトの開設、おめでとうございます!
このサイトを通じてこれから彼女についていろいろと学びたいと思います。
わたしもあの点数には驚きました。もちろんダウングレードなどまったく考えもしませんでした。彼女もコーチもさぞがっかりしたことと思いますが、それはそれとしてちゃんと受け止めたお二人は素晴らしいですね。
ジャッジも人間、間違えることもあります。プロ野球を観ていても、明らかな誤審があってもその判定が覆ることはまずありません。日本の場合はビデオ判定をしませんから。選手、コーチ、そしてファンが心から納得できるよう、審判の透明性を高める対策を是非とっていただきたいものです。
次はいよいよ世界選手権。その頃にはレイチェルの進学先は決まっているのでしょうか?オリンピックの試合のときアナウンサーが彼女のことを「受験生」と呼んでいました。両立はたいへんだけれど、そこは優秀な彼女のこと、これからも頑張ってゆくのでしょうね。
コメント by Asagon — 2010年3月2日 @ 7:46 PM
みやすけ様
コメントどうもありがとうございます。
今年になってから、お互い明るい彼女の笑顔に救われましたよね。
以前、みやすけ様が、あのブーイングがみんなのレイチェルの演技への評価を物語っているとおっしゃっていましたが、そのお言葉が嬉しかったです。
コメント by ふぁんふぁん — 2010年3月5日 @ 2:46 AM
Asagon様
コメントどうもありがとうございます。
ま、ジャッジにぶうたらいうなんて、
私もまだまだこものです。
選手の競技者としての寿命ってそんなに長くはないのだ、
と思い知るこの頃。
だからこそ、応援できる今を幸せに思いたいです。
コメント by ふぁんふぁん — 2010年3月5日 @ 2:49 AM
TAMAMIさま
訪問させていただきました。
レイチェルも良い選手だよなぁ・・・。
良い指導者に良い子あり。
あんなにOPでは全体的にDGが甘甘だったのになぜか社長にDG。
きっと裏に何かがって、今まで散々厳しい判定に不満を持っていた
ファンがみたらおもっちゃいますよねぇ。
素敵なサイトですね。また来ます~♪
またFでもよろしくお願いしまーす。
コメント by さかなっち — 2010年3月5日 @ 4:30 PM
さかなっち様
ようこそお越しいただきました。
WordPress マニュアル、くびっぴきです。
そう、
レイチェルはフリップについては今までGPSを含めて
DGをもらったことないの。
いつもとんでるフリップ、
女子のジャッジはGPSも同じだったはずなのに、
なんで晴れの舞台の五輪でつける~?ってプンプン。
少しずつ充実させていきたいと思っております。
また、さかなっち様の来訪を心待ちにいたします。
コメント by ふぁんふぁん — 2010年3月5日 @ 10:19 PM
TAMAMIさま、サイト開設おめでとうございます。
私も全米選手権FSでは、長洲未来選手のDGに、
オリンピックFSでは、フラット選手のDGに、
いったいどうして…、と思ってしまいました。
心の中に割り切れない思いもあるはずなのに、
選手の将来を見据えた大人の対応をしていて、
すばらしいですよね!
…ただ、某選手のように国(マスコミ)を挙げて
子供っぽく大騒ぎした方が、
一日でe判定が!判定になったり、
一度は<がついても次の試合で見逃されたり、
されているのが、現状なんですよね…。
審判も人間ですので、非難の矢面に
立ちたくないのは分かりますが…。
逆に、日本のマスコミはDGの検証を全くしませんし、
ましてや抗議なんて…という状態ですので、
浅田選手もですが、安藤選手あたりは、
かなり厳しく取られている印象があります。
NFLと同じように大きなスクリーンを使って
審判のカメラアングルの様子を写したらいい、
という意見に大賛成です!
アメリカのマスコミが大きく取り上げてくれ、
世論が後押ししてくれるといいですね…♪
コメント by minihaji — 2010年3月7日 @ 11:12 PM
minihaji様
コメントありがとうございます。
そして、足をお運びくださり、ありがとうございます。
そう!
審判のカメラアングルの様子を写す、なんていうことは
ハードの問題だけなので、そんなに難しいことじゃない気もするので
来シーズンからやって欲しいなあ~。
このスポーツの発展のためにも、是非是非と思います。
またいらしてくださいね~。
コメント by ふぁんふぁん — 2010年3月7日 @ 11:32 PM